イーダのマンガ探訪

個人的にお勧めなマンガやアニメなどを上げていきます

ちょっと早すぎた?狩猟マンガ「ミミック」

黒髪ロングのお嬢様の正体は・・・

そのクラスの男子の間では、ある女の子が話題の的だった。

「姫小路にしき」

入学式の日に毛皮のコートを着て、バイオリンケースを持った美少女である

その容姿と一般の女の子からちょっと外れた雰囲気から

どこぞのお嬢様かと噂され

他の女性とからは近寄りがたい雰囲気があった。

男子たるもの女子が近づきにくかろうと

美少女であれば興味はわくものである。

本作の主人公である万(よろず)星彦

ある日偶然帰りのバスで姫小路と一緒になる事になる。

「いつもは帰るバスの時間がズレていたのか」

とか考えていると、いつもは閑散としたバス停の近くが騒がしい。

そのまま帰ろうとした星彦をよそに姫小路がその人たちに話しかける。

「何かあったのですか?」

「今さっき、凶暴なイノシシが出たんだよ」

イノシシ?イノシシと申されたか。しかも凶暴な・・・

「さすが山の中だぜ。早く家に帰ろう」と考えた星彦をよそに

姫小路が山に向かって走り出した!

 

ワイルドな女の子は好きですか?

何を考えているのかは分からないが

危険なイノシシが出ているというのに女の子一人が

その山の中に入っていくなど危険極まりない!

しかもかわいい女の子である。

はっきり言って好みの外観の女の子である。

藪の中に入って姫小路を探す星彦。

なんとか見つけて避難するように説得しなければ。

しかし先に見つけたのはイノシシの方だった・・・

恐らく先ほど話にのぼっていたあのイノシシであろう。

見るからに大きくて凶暴そうだ。

目が合った!

もうダメかも・・・

と思ったその瞬間、彼を押しのけてきたのは

姫小路にしき!

しかも手にはボウガン!?

なんと一撃必中でイノシシを倒してしまった。

(実際にはボウガンとかでイノシシを倒せるのか疑問は残りますが)

 

実は山は彼女の庭?

なんかとんでもないものを見た気がする・・・

とりあえず彼女の荷物を渡そうとすると

バイオリンケースの中にバイオリンは存在せず、

実はボウガンを入れるためのものだったらしい。

いったい何者?

クエスチョンマークがいくつも出る中、

彼女はおもむろにナイフを振り上げイノシシに突き刺した!

もう死んでいるのに!?

「な・・・何してるの・・・?」恐々聞いてみると

「何って、血抜きです。食べる時生臭くなるので」

喰うんかい!

しかも「食べません?」とお勧めまでされてしまった。

正直ここで断っても帰り道分からないし、うなづくと

彼女はどんどん山の中に入っていく。

しかもイノシシを担いで!

なんと彼女は山の中の洞窟で暮らすワイルド少女だったのだ

 

ミミック (マジキューコミックス)

ミミック (マジキューコミックス)

 

 

ワイルドでサバイバルな狩猟生活

と、おおよそ星彦や他の生徒との予想と大きく外れた

彼女の生活ぶりだったが、この事は当然二人の秘密とされた。

言っても信用してもらえないだろうし、姫小路がよけいに

クラスから浮く可能性もあるからだ。

なにより彼女との距離は確実に縮まったのだし、まあいいか。

実際二人は行動を共にすることも増えるわけだが

なにせ姫小路のすることはサバイバルすぎる。

断水になればペットボトルの水で米を炊き

雑草と思われたものから見事な料理を作りだす。

肉も必要となれば自前で調達するのである。

しかも見た目が超絶美少女とくればとりあえず文句は無いだろう。

 

罠、虫よけ、山で生きる知識

そんなわけで、他にも足にくっついたヒルをはがす方法や

トゲの抜き方など、ちょっとしたサバイバル知識がちりばめられていて

個人的にけっこう好みのマンガでした。

最近はキャンプや狩猟などのマンガもありますが

この作品はそれらよりちょっと早く出てしまったためか

作品は1巻で打ち切り(出ただけマシ?)

絵もかわいいし、ちょっとお色気路線にももっていきやすそうですが

あまり一般受けはしなかったんでしょうか

私は好きですけど。

ちなみにこの山田いぶきという作家さんのコミックは

これしか出ていません。

恐らくこの後も営業活動などされたんでしょうけど

連載がもらえなかったのかコミック化まで至らなかったのか。

非常に残念ですが、これもマンガの世界ではよくある事なんですね。

企画力、営業力が無い人に活躍の場は与えられません。

隠れた才能は隠れたままになってしまいます。

願わくば彼が筆を折らず、同人活動かプロアシでも良いので

マンガと関わってくれていればなあと切に願います。