イーダのマンガ探訪

個人的にお勧めなマンガやアニメなどを上げていきます

ドロップアウトしてもやり直せばいい!「地上の星座」

 

定時制高校にある風景

定時制高校が舞台になったコミックというのもいくつかありますね

高校をリタイアしたり、事情によって通えなかったりした人が

改めて仕事やバイトをしながら高校に通うという事が多いかと思います。

なぜ高校に行くのか?

就職活動をするに当たって高校を卒業したという実績が欲しい人や

単に勉強をやり直したい人なと、様々な理由があるでしょうね。

その中の一つに「中卒労働者から始める高校生活」

という作品もあります。

 

中卒労働者から始める高校生活 1

中卒労働者から始める高校生活 1

 

 こちらも主人公は諸々の事情があって高校に通えなかった主人公が

職場の関係から高卒という実績を得る為に定時制高校に通うという

ストーリーになっており、他のキャラなどからなる

群像劇が見どころになっています。

 

私の中に「何か」残してくれた「地上の星座」

地上の星座」という作品は

星野史佳の描いた作品で、コミック化は1999年と比較的古いマンガです。

私はこの作家さんを昔の「ぱふ」というマンガ紹介雑誌で知り

一気にハマってしまったのです。

その中で妙に印象に残っているのがこの定時制高校を舞台にした

群像劇地上の星座」です。

主人公は高校でのいじめからドロップアウトした18歳の女の子です。

そのせいか、最初はなかなか心を開いてくれる事が無く

本人も全日制の高校に未練がある感じに描かれています。

それが同窓会に出席してしまった事から

なぜ学校を辞めなければならなかったのかなど

自分はみんなと違うという事を再認識させられてしまいます。

 

居られる場所はそこだけじゃない

ちょっと遅れて学校に行ってみると、そこには知らないおじさん(34歳)

がなぜか花壇の世話をしています。

おじさんに声をかけられ手伝いをしているうちに

打ち解け話をして、少しだけ気が軽くなった主人公が教室に入ると

そこにはいつもと変わらず迎え入れてくれる同級生が居たのです。

主人公も18歳で定時制高校に通い始めたのから当然ですが

定時制高校には様々な年代の人がいます。

最初から働きながら勉強をしている人、

同じようにドロップアウトした人、

歳を取って、昔行けなかった高校に通いたくて来た人などなど

「同じ歳の子の集まり」でしかない普通の学校と違い

定時制高校には「人生の先輩の同級生」もたくさんいます。

同じ歳でない人からしてみたら年齢という小さい括り等些細な事なのです。

 

見まわしてみれば普通じゃないのは当たり前

そこから彼女の視野が広がったように感じられます。

ここからは全日制の高校での盗難騒ぎなどからかかわった

やはり心を開いてくれない女の子の話など

定時制の高校だけではなく、もう少し広がった世界との

関わり合いなども増えて来ます。

社会人のなってみると「中学や高校という括り」

というのがいかに狭い世界なのかという事が判るのですが

その中にいる子たちにとって、そこの外からの景色というのは

なかなか想像しにくいものになっています。

この作品に出てくるキャラクターには様々な人がいますが

そういう括りの外に居る、広い目を持った人達でもあります。

 

地上の星座 (花とゆめCOMICS)

地上の星座 (花とゆめCOMICS)

 

 

定時制高校と私

実はこの作品を読んだ後ですが

定時制高校に通っていた人との縁がいくつかありました。

高校を途中で退学してしまった元同級生。

最初から定時制に通いながら仕事をしていたコンビニの店長さん。

定時制高校は普通の高校と比較して退学者が多いそうです。

仕事をしながらですから、学校に通い切る事も大変なのです。

それでも高校をしっかり卒業した人達を見ると

一定のリスペクトをせざるを得ませんでした。

不通とは違う、色んな年代の人と授業を受けた仲間。

そういうのもまたステキな関係じゃないかと

思えました。