イーダのマンガ探訪

個人的にお勧めなマンガやアニメなどを上げていきます

いつだってロックンロールが最高さ!「階段途中のビッグノイズ」

 

お人よしのロックンローラー

兄の影響で始めたギター。お人よりだけどロックは大好きで

高校になって軽音部に入って思いっきりバンド活動するんだ!

・・・と思ってたのに、先輩たちはただだべってるだけで

楽器を弾く事もロクに無い。

 

というところまではよくある話ですが、その先輩たちが

屋上で麻薬まで吸ってて廃部寸前になったとしたら・・・?

 

 

最初のミッションは部活の存続

と、いきなり窮地から始まるこのマンガですが

実は小説の原作があり、そのコミカライズとなっています。

越谷オサムというと、陽だまりの彼女が映画化され

学生から社会人まで、幅広く青春小説を書かれているイメージが強いです。

陽だまりの彼女(新潮文庫)

陽だまりの彼女(新潮文庫)

 

 そんな越谷作品のコミカライズですが、これまた見事に青春してくれています。

先ほども書いたように先輩がアホな事してくれたせいで

部の存続が非常に危うい状態になっているんですが

その先輩たちは当然退学。悪さをする連中が居なくなったとは言っても

主人公の啓人(けいと)も軽音部に居た事から教師や

知らない生徒からは退学した先輩と同じように見られてしまうんですよね

悲しい事に。

ですが、啓人はまだ運が良かったのです。

変な奴だけど幽霊部員だった仲間と

変な人だけど二つ返事で顧問を引き受けてくれた先生がいてくれたから。

 

セカンドミッション・部の存続を認めさせ、文化祭に出る!

文化部だから当たり前なんですが、音楽をやっている部としては

文化祭に出なければ活動実績は無くなってしまいます。

しかし、軽音部というのは活動する場所が意外と限られてしまうんですよね。

何せ音が大きい!

これだけで活動できるのは音楽室か、防音性の高い部屋でなければ

出来なくなってしまいます。

その上、軽音部を目の敵にしている先生もいるので

品行方正、先生方の言う無理難題にも応えていかなきゃならない。

というわけで、「場所は自力で確保する!」

階段部屋使って防音には毛布をかける!

暑いかもだけどそこはどうにかする!

そんな事をしている間に

吹奏楽部からと、バンド経験者の仲間まで加わりました。

 

最終ミッション・文化祭で大成功を収める!

バンド経験者が加わってくれるのは非常に大きな強みですが

腕の差が・・・というのもよくある事でしょうね

逆に言えば全体のレベルアップには良いかもなのです。

実は主人公の啓人にはバンド仲間の他にも強力な助っ人が居たのです。

それは、先輩たちが退部してひとりぼっちで演奏していた時に

たまたま屋上から降りて来た同級生の女の子!

閉まっていた屋上の扉を開けて降りて来た姿は

啓人にとっては女神のように見えた事でしょう。

そんな彼女の支えもあって、何とか光明が見えたその矢先・・・

こういう時にアクシデントって起こるものなんですねえ

けっこう致命的なアクシデントに見えるんですが

これを彼らはどう乗り越えていくか

このあたりに越谷節が効いてて「青春だな~」って思えるんですよね。

 

コミカライズの作者も凄かった!

コミカライズをしたのは亀屋樹というマンガ家さんです

現在FINAL FANTASY LOST STRANGER」

 

 

という作品を手掛けていますが、「階段途中のビッグノイズ」の時から

「これ上手い!」と思わせられる場面がいくつかありました。

ギターの書き方や絵の全体のバランスもそうですが

この作品の集大成ともなる文化祭の書き方が素晴らしいんです。

舞台に上がる前の緊張感。

今まで手伝ってくれた人達の想い。

今までやって来た事への想い。

なにより文化祭でWe Will Rock You

の描写には度肝を抜かれました。


Queen - We Will Rock You (Live In Budapest - corrected version)

この曲を迫力満点にここまで表現できるのか!?

というくらいの素晴らしい描写でした!

これだけでも一見の価値があります!

 

アニメ化は無かったのか?

ここまでやったので、アニメ化もあるかなーと思ってたんですが

残念ながらそこまでには至りませんでした。

この作品がコミカライズされるより前に「けいおん!」の大成功があり

その流れに乗りたかった部分もあったとは思うのですが

逆に「けいおん!」のヒットが凄すぎてアニメ化しにくかったのかもしれません。

こちらは正道恋愛マンガっぽいところが魅力なんですが

あちらはかわいい女の子たちがわちゃわちゃやってる魅力が凄かったですし。

わたしも「けいおん!」は大好きです。はい。


けいおんOP cagayake girls 【高音質加工】

 

余談ですが、越谷先生の作品で個人的に一番好きなのは

「金曜日のバカ」ですね。

こちらは5編からなる短編集ですが、それぞれに面白く

特に表題の「金曜のバカ」はばかばかしくも面白いです。

 

金曜のバカ (角川文庫)

金曜のバカ (角川文庫)