イーダのマンガ探訪

個人的にお勧めなマンガやアニメなどを上げていきます

まさに普通という事の奇跡?いや、これこそ最高のファンタジー「よつばと!」15巻

日常系コミックの最高峰である!異論は認めない

これはよつばと!のファンであれば

かなり多くの人がそう考えているのではないでしょうか?

この作品で描かれているのは

超能力者が出てくるわけでもなければ

異世界に行くわけでもないし

ラブでコメな展開もほとんど無い。

ふつーのおっさん(というには少々若いけど)と

5歳の女の子という家族の日常を

ごく当たり前のように切り取った

まさに日常劇でしかないのだから。

ですが、その日常がいかに尊いもので

当たり前ではないという事も

この作品のファンの多くの方は理解しているだろう。

このように淡々と送られている日常こそが

誰もが欲し、憧れているものなのだから。

描かれているものは、あまりにも日常すぎる日常なのですが

人間関係はちょっと特殊ではあります。

まずよつば自身がとーちゃんの子じゃない

どっか外国の子で、とーちゃんに拾われてきた

という事しかわかっていません。

しかしこれは読んでいる人にはすでにどうでも良い事なのです

とーちゃんとよつばは親子

それ以外のなにものでもない。

だからそれでいいんです。

 

たしかにここだけは羨ましい!

強いてうらやましい!と思えるものと言えば

綾瀬家三姉妹が隣に住んでいる事くらいでしょうか。

あさぎふーかえな

どれも美人だし性格もそれぞれ良くて

よつばと遊んでくれたりします。

あさぎはモデル級の美人で手先が器用

ふーかは子供好きで面倒見の良い気さくなお姉さん

えなはよつばよりちょっと年上で一緒に遊んでくれる

こんな三姉妹が隣に住んでいたらそれだけでも羨ましいですよ!

 

15巻はここが素晴らしかった!

そんな「よつばと!」ですが、15巻で特にお気に入りのエピソードは

「石拾い」のお話です。

これ、普通のマンガだったら「は?」って言ってしまうような話ですが

よつばと!」だと非常に素晴らしい話になったりするのです。

12巻でキャンプに行った時にキレイな石を拾って来たよつばが

とーちゃんに頼んだんでしょう

海にキレイな石を拾いに行くというイベントが発生します。

出かけ際にえなみうらも合流することになるのですが

おでかけする時の子供たちのテンションの高さの描写が素晴らしい!

オープンカーに乗る事ではしゃぐ

お出かけする事にはやぐ

子供たちのエネルギーの高さを

これでもか!と見せつけてくれます。

非常に微笑ましい。

このエピソードでもうひとつ素晴らしいと感じさせられたのは

二回の見開きページでした。

ひとつはみんなが海岸に着いたシーン

もうひとつはみんなで石拾いをしているシーン

何てこと無さそうなシーンなんですが

この絵が非常に素晴らしい!

これだけでちょっと感動してしまうくらいに素晴らしいんです。

精緻な書き込みもそうですが、一般の絵画と違って

やはりマンガだなと思わせられるのはキャラに動きが見られること。

絵の中でキャラクターが確かに生きていると感じられる事です。

いやー、マンガって本当に素晴らしいものですね。

オチもとーちゃんが

「石拾い、なにこれ、すげー楽しい」とか言って

よつばといっしょに石拾いをして終わるんですが

この終わり方もまた「よつばと!」独特の終わり方ではないでしょうか。

描かれている事は本当に日常にありそうな事なんです。

なのにそれがいかに大切なものなのかを再認識させてくれる。

それがこの作品の良いところですね。

 

やっぱり私はふーか推し

「石拾い」の話では出番がありませんでしたが

私が「よつばと!」で最初からずーっと推してるのは

ふーかですね!やっぱり!

作品の最初の方で小岩井家と関わる事が多かったというのもありますが

よつばに対する接し方が良いし

とーちゃんやジャンボとのやり取りもかわいらしい。

ヤンダとはまだ面識が無いのですが(三姉妹で一人だけ)

ふーかをヤンダの網膜に焼き付けるなんてとんでもない!

 

まあ、この作品は恋愛要素が無いのも良い部分だったりもするので

そういう方面に行く要素は少しでも無い方が良いかなーなんていうのは

私の勝手な願望だったりするのですが

とーちゃんなら百歩ゆずって良いかな

とか、勝手に妄想しております

作中ではどちらも異性として意識している感じは無いので

安心して読めるのですが

 

ランドセルを見に行くエピソードも良かったですねー。

ランドセル見に行く前のとーちゃんとふーかのやり取りとか

ふーかのよつばへの接し方とか

良い子すぎる・・・

10巻で電気屋に行った時もそうですが

ふーかとよつばが手をつないでいる描写が

なんとも微笑ましくて良いのです

尊い・・・

すいません、今回かなり暴走しています。

 

とーちゃんの変化

作品を通して見て

とーちゃんって、けっこうちゃんととーちゃんしてると思うのですが

このランドセルの話では珍しく過去の回想シーンが出てきます。

12巻、キャンプのエピソードで子供たちを寝かしつけた後に

ジャンボやヤンダとビールを飲んでいるシーンです。

ここでとーちゃんは

最初はそれほど自分が父親だという自覚はなかったけど

よつばが大きくなってきたら「ああ、自分はとーちゃんなんだな」と

じかくするようになったというシーンが挟まれてきます。

そしてなんと!

ランドセルを背負ったよつばを見て

とーちゃんが涙するんですよ!

いや、私もなんか泣いちゃいましたけどここ!

やっぱり七五三とか小学校入学とか

大きなターニングポイントですよねー(しみじみ)

ここにいたのがふーかで良かったかも

ジャンボだったら一緒に泣いちゃってたかもしれませんね

 

だからこそ最高のファンタジーなんです!

こういったひとつひとつの事柄を見ていくと

普通に家庭にありそうな事ばかりなんですけど

そのひとつひとつがいかに大切なものなのかを

再認識させてくれるのがこの「よつばと!」という作品なのだと思います。

あたりまえだけど決して当たり前なんかじゃない

誰もが望む事がここに凝縮されている

だからこそこの作品が

最高のファンタジーである

と私が主張するところでもあります。

発行ペースは相変わらずゆっくりですが

ずっと続けてほしい。

この貴重な日常が続いてほしい。

そう願わずにいられない作品ですね。