イーダのマンガ探訪

個人的にお勧めなマンガやアニメなどを上げていきます

元祖家事万全メイド少女「シャーリー」

天使は突然舞い降りる

もし、あなたの家に突然13歳のメイドさんがやってきたらどうしますか?

しかも帰る家も家族も無いと言っています。

こんな感じで始まるのが森薫の「シャーリー」というお話です。

圧倒的画力の作者の過去・・・

森薫といえば、今「乙嫁語り」で圧倒的な画力を誇る実力派です。

彼女の作画動画を見た事がありますが、最初の頃は

「さすがー上手いなーキレイだなー」と言っていられるのですが、そのうち

「すいません、もう降参です、許してください」と言いそうになるくらい

素晴らしくも圧倒的な迫力満点の絵を書くのです。


森薫「乙嫁語り」の現場から その5:ペン入れⅣ

 もうこのあたりになると、「ごめんなさい」レベルになります。

ち密さと大胆さが同居して、凄い迫力で絵が迫ってきます。

この作品では舞台は中央アジアになっていますが

古くからの森薫ファンは、森薫といえばメイド!」と言うでしょう。

アニメ化された「エマ」もそうですが、それまでの森薫といえば

HPを見てもメイド、メイド、メイドの嵐でした。

「エマ」と同時期に単行本として出版されたのが今回ご紹介する

「シャーリー」になります。

森薫の原点、それはメイド

というわけで、この作品の主人公のベネットさんは

カフェを営むアラサー女子であります。

時代としては「エマ」同じ19世紀末なので、嫁ぎ遅れと言われる年頃でしょうか。

この時代、中流家庭だとメイドさんが居てもおかしくなかったようです。

それくらいメイドというのが一般化していたのでしょうね。

今で言うと家政婦さんとか住み込みのハウスキーパーさんみたいな

イメージなのかな?

シャーリーが家にやってきた

お店を閉めて家に帰ってみると玄関の前に小さな女の子が座っている。

貴方ならどうする?

いくら時代が違うとはいえ、13歳の女の子を家で働かせるのもどうか・・・

しかし他に行く当ては無いというし、追い出すのもいかがなものか・・・

と悩んだベネットさんは、自分の好きな料理が作れるという事を理由に

シャーリーを採用してしまいます。

次の日、一日の仕事を終えて帰ってみると、なんと家の中が

光輝くほどに綺麗になっているではありませんか!

しかもシャーリーの作る料理のおいしい事!

これは絶対に当たりを引きました!シャーリー万歳!

今見ると、けっこうありがちな設定ですが、この頃はこんな話って

そんなには無かったんですよね。

家事万全メイド少女の本家本元ゆえに設定もシンプルなのです。

シャーリーは女の子

「何を当たり前な」と思われるかもしれませんが

ベネットさんは美人でブロンドでスタイルも良いのです。

対してシャーリーはまだ発展途上女子。

髪も黒髪で短いし、幼さがまだ残るお年頃。

はっきり言って憧れるのです、ベネットさんに。

こんな二人が織りなす日常系メイドマンガ、それが「シャーリー」であり

ふたりの織りなす話がまた良いのです。

17年前の森薫さん

シャーリーの第一巻は2003年、第二巻は2014年に出ています。

多分、今本人がこの頃の絵を見たら恥ずかしさで放り投げてしまうかもしれません。

でも、この頃にしか書けなかった「メイド愛」溢れる作風も

また良いのですよ。

新しい方の作品でも、「乙嫁語り」のような迫力溢れる作画ではなく

意図してシンプルな傾向の絵にしているのも古くからの森薫ファンとしては

嬉しいものでもあります。

また、第一巻の方にはシャーリーの他にも森薫さんの初期作品ともいえる

ものが三篇載せられており、これもまた今の作風と違い

ライトな感じが好ましいです。

当然全部メイドの話です、ええw

森薫のメイド作品を読み終えると

ミニスカメイド邪道だな。などと考えるようになるかもしれません。

あとは「ご主人様」ではなく「旦那様」と呼んで欲しくなるかも。

とにかく作品から「メイド愛」のオーラが物凄く出ているんです。

メイド好きな方、イギリスに興味のある方、森薫ファンの方。

とにかくこの「シャーリー」を読んでみてください。

「メイドの沼」にハマる事請け合いですから。

 

シャーリー 1巻 (HARTA COMIX)

シャーリー 1巻 (HARTA COMIX)