イーダのマンガ探訪

個人的にお勧めなマンガやアニメなどを上げていきます

タイムスリップとタイムリープ「ぼくだけがいない街」

時間を遡れる能力を持った男

自分の身の回りで起こるちょっとした人の不幸を

ちょっと時間を遡る能力があって止める事が出来たらうれしいだろうな

そんな風に思う人は多いのかもしれません。

でもそれが自分の母親が殺されるという事案だったら

嬉しいところか必死になってでも止めるでしょうね

しかも、犯人として疑われているのは自分自身です。

そこから主人公の悟は様々な事件に巻き込まれていきます

 

 それまでは事件を解決するためにはちょっと前の時間に戻るだけで良かった

なのに今母親が殺された事件を解決しようとしたら

小学生時代にまで遡ってしまった!

つまりこれは

母親を救うためにはここからやり直さないといけない

という事に他なりません

 

この頃に起きた事件との関連性?

ちょうどその頃、クラスメイトの女の子ふたりが

殺され、自分が懇意にしていた人が殺人の疑いで

逮捕されてしまったという事がありました。

まさかこれがなにか遠因があるのか?

悟はとりあえず最初に殺された女の子「加代」と

コミュニケーションをとる事にする

そこからさまざまな展開が起きてきます。

 

タイムリープ作品として

主人公が過去に遡って事件を解決するというと

最近では君の名は。が有名ですが

古い作品だと時をかける少女になりますね

私は「時かけ」はNHKのドラマでも見ましたし

原作は中学の時、まだラノベなどみじんもない時代に読んでいますが

当時でも非常に面白かったです。

 

君の名は。

君の名は。

  • 発売日: 2017/07/26
  • メディア: Prime Video
 
時をかける少女 (角川文庫)
 

 

 特に「君の名は。」は時間の違いを上手く使った名作ですね。

さて、時間を遡って過去の事件を変えてしまった場合

未来、つまり自分が元居た世界はどうなってしまうのでしょう?

私が知る限りだと、こういう事は「タイムパラドクス」として

あってはならない事とされていました。

藤子不二雄の「T・Pぼん」や「鉄腕アトム」でも

「未来に影響があってはならない」という前提で

物語が進められています。

しかし近年「平行世界」などの概念が入ったせいか

むしろ「未来を変革」させるために

積極的にタイムスリップを使う傾向になってきています。

「ぼくだけがいない街」

君の名は。

この過去と現代の事柄を本当にうまく絡めた

名作だと言えると思います。

 

プロットありきに大名作!

実は私、この作品の絵柄はそんなに好きな方じゃないんです。

が、どうにも表紙が気になって手に取ってしまったんですね。

そしたらこれですよ!

ヅガンとやられましたね。

最近、コミックは人気商売として

まずは数回様子見をして、人気があれば継続

無かったら打ち切り。というパターンが多いのですが

「ぼくだけがいない街」に関しては

最初からプロットが決まっていて

ほぼその通りに終えられたのではないかと思われます。

こういう作品の終わらせ方というのは

作者としても満足度が高いのでしょうが

読者としても「一本の完成した作品」として

ずっと手元に置いておきたくなる作品

となります。

 

 

それぞれのヒロインたち

この作品には小学生時代の加代と

現代での愛梨という、メインのヒロインがいます。

一人は守られるヒロインとして

もう一人は協力者、理解者として大きな役割りを果たしてくれます。

しかし、それ以上に目を引いたのは

悟の母親でしょう!

悟が長いスパンでのタイムリープの原因でもありますが

彼女の息子への愛情や献身ぶりは見ていて本当に天晴れというか

素晴らしいとしか言いようが無いのです。

ステレオタイプな母親像を押し付ける気は無いのですが

これはもう読んでもらうしか無いと!

私みたいに絵が好みでないという方でも大丈夫です。

この作品はそれさえ楽に超えてくるくらいの名作ですから。