イーダのマンガ探訪

個人的にお勧めなマンガやアニメなどを上げていきます

全静岡県民推奨(?)マンガ「ローカル女子の遠吠え」

私は生まれも育ちも静岡県富士市のふもとで

富士山を当たり前のように見て育ってきました。

ですので、富士山は特殊なものではなく、「そこにあるもの」として

ごく自然に受け止めてきました。

ところが、他の地域の人の話を聞くと

「富士山を毎日見られるだけで贅沢だ!」という話をよく聞きます。

こんな静岡県民のあるあるをまとめ上げてくれたのが

「ローカル女子の遠吠え」です

 

 

「ローカル女子の遠吠え」とはどんなマンガ?

主な主人公は東京でデザイナーの仕事をしていたものの

勤勉さと真面目さしかとりえのない有野りん子と

へらへらしていて空気が読めなくて左遷してきた雲春のふたりです。

形式としては4コマまんがになります。

このマンガ、登場人物の苗字がなぜか虫をもじったものから来ていて

りん子さんは蟻、雲春さんは蜘蛛からきています。

また、物語の冒頭でアリとキリギリスになぞらえて自己アピールをする

りん子さんに対をなすキリギリスな女の子、桐島さんという

かわいいだけがとりえという女の子もしっかり出てきます。

こんな人たちが静岡あるある、静岡ってこんなところというものを

これでもかとばかりに紹介してくれる。それがこの

「ローカル女子の遠吠え」なのです。

静岡ってそんなに特徴あるところなの?

これは意外と静岡の人自体が認識していないのですが

たとえば、私の住んでいるあたりなら「富士山は北!」という

固定概念が強く、東西南北の感覚も正午の太陽の位置ではなく

「富士山があるのが北」というのが一般認識です。

これは静岡の中でも特殊な例ですが、おおむね静岡県民の

「富士山愛」は高いものだと思われます。

富士山の表側はどちらかで山梨県の人と論争になったりとか

日に一度は富士山を見て傘雲だったら折り畳み傘を用意するとかですね。

他にも静岡と言えばお茶と家康と駿河湾ですが

このあたりに関する静岡県民と他の地域の方とのギャップは

けっこうおもしろいものがあります。

静岡って横に長くない?

ご存じの方も多いかもしれませんが、静岡県

新幹線の駅が6つもある、新幹線駅数最多を誇る県でもあります。

ですが「のぞみ」は止まりません・・・

「ひかり」も静岡と浜松に止まるくらいで、あとはスルーされています。

つまり、新幹線にとって静岡は「行きずりの地」なわけです。

それだけ長い県だと、東部と西部では当然文化にも差が出てきます。

おっと、伊豆もわすれてはいけませんね。

りん子さんの会社は東部、西部支社もあり、各支社の人との

交流も盛んなため、個性ある地域性を見て取る事もできます。

楽器とバイクの西部、お茶と家康の中部、富士山至高主義の東部

そして謎に包まれた伊豆。

こんなところをあけすけに描いているのもこの作品の面白さでもあります。

他にも(個人的に)ツボるところ

お堅いりん子さんとは対照的に母親はスナックを経営し

かなりフランクで商売上手な人です。

この昭和世代ど真ん中世代と平成世代とのギャップもまた

見ていて面白いものがあります。

この母親のセリフで「ノスタルジックは金になる!」ですね。

このように商魂逞しい母親のスナックの常連さんも皆

昭和世代を生き抜いてきた人ばかりで

昭和と平成のギャップも存分に楽しめます。

そしてなぜかそこに馴染んでいる雲春さん・・・

とどのつまり

現在6巻まで発売されており、現在も連載中です。

よく静岡のネタだけでそれだけ書けるなとも思いますが

書けてしまうのが静岡なんでしょう。

作品には書かれてませんが、静岡と言えば面白いCMが多い事でも有名ですね。

「オートベル」「学生服のやまだ」パチンコ店のCMなどなど・・・

この作品を期に、ぜひ静岡を堪能していただけたらと思います。