イーダのマンガ探訪

個人的にお勧めなマンガやアニメなどを上げていきます

正しき生徒会マンガ「イチゴーイチハチ!」

最初にどんなマンガを紹介しようかと思ったのですが、

連載が終わって今でも好きで、今度舞台化する事になった

「イチゴーイチハチ!」をご紹介しようと思います。

natalie.mu

この作品が出るにあたって・・・

このマンガの作者、相田裕はアニメ化もされた「GUNSLINGER GIRL

の方が有名かもしれません。

イタリアを舞台にしたアクション作品から一転、現代日本

ごく普通の高校生を扱った事で、GUNSLINGER GIRLのファンからは

失望の声も上がりました。

私もGUNSLINGER GIRLのBD-BOXを持っていたのですが

それほど失望はしてはいなかったです。

それまでと違う毛色のものを書く作者は多いですし、作者のTwitter

GUNSLINGER GIRLに関する資料をかなり処分したという事も

知っていましたので。

そんな経緯もあってか、「イチゴーイチハチ!」の船出は

決して順風満帆というわけではありませんでした。

「イチゴーイチハチ!」とはどんな作品か

主人公の丸山幸(通称丸ちゃん)は、中学一年の時に

知り合いの先輩の出場するシニアの野球の試合を見学に来た。

その時投げていた相手側の投手、烏谷公志郎(通称カラスヤ)に

見とれてしまう。

それから3年・・・幸は志望校の公立高校の受験に失敗し

川を越えた先(入間川らしいです)にある私立松武高校に通う事になる。

この高校は、

国公立大学を目指す「選抜」

私立大などを目指す「特進」

スポーツ特待生が多い「情報」に分かれている。

幸は中学時代バスケットボールをしていたのだが、

背が低い事もあって先の先輩が会長をしている生徒会に入る。

会長の亘環(わたりたまき:通称会長)は、情報コースにいながら

どの部活にも入っていない生徒の事を担当の教師から相談を受けていた。

その生徒こそ幸が3年前見たカラスヤであった。

そして、カラスヤと会長との間にも因縁が・・・

というわけで、この作品は、高校の15から18歳までの青春群像劇

を描いた作品になっています。

また、最初に幸が見た野球の試合では、カラスヤが15番、会長が18番の

背番号を付けてお互いに戦っています。

不人気作「イチゴーイチハチ!」

実はこの作品、全7巻となっていますが、地味な作風のせいか

何度も打ち切りの話が持ち上がっていたそうです。

わりと不定期で連載していたのも要因の一つだったかもしれません。

作者は何とか幸とカラスヤが高校を卒業するまで書きたかったそうですが

最終的には会長が卒業する1年で物語は終了するという形になっています。

じゃあ、何が面白いの?

GUNSLINGER GIRLの世界観とも大きく違い、週刊マンガ雑誌にもかかわらず

掲載頻度の低い「イチゴーイチハチ!」ですが

私は丁寧に作られた世界観やそれぞれのキャラクターの心理描写

生徒会って何をやってるの?という事に切り込んだ作品という事で

興味を持って見ていました。

また、幸、会長、カラスヤ共に中学時代はそれぞれスポーツをしていて

それを断念して生徒会に入ってきています。

特にカラスヤは中学時代幸が見惚れたほどの才能の持ち主でしたが

それを断念しています。

そういったカラスヤに「学園生活を楽しくおくってもらおう!」と

会長や幸が頑張る姿に非常に好感を持てました。

また、カラスヤも最初は夢を絶たれて死んだ魚の様な目をしていたのが

徐々に新しい事に挑戦して前向きになって行きます。

このあたりでの会長やカラスヤの兄、父なども含め、皆がいかに

カラスヤに気を使っているか、心配していたのかというのが

見て取れて、その場面では何度見ても目頭が熱くなってしまいます。

まとめ

このように目立たない作品ではありましたが

「イチゴーイチハチ!」は高校生にして挫折を味わった生徒たちが

新しい自分を構築し、新たな成長をしていくストーリーとなっています。

恋愛のモヤモヤなどはありますが、悪人が出てくるわけではなく

とても暖かい作品で読後感も良いものとなっています。

ぜひ多くの人に知って欲しい作品です。